A:勝敗
1: 予選は奇数人の審判が各ラウンドの勝敗を決定する。ただし、決勝戦は偶数人の審判と聴衆票及びスピーチのバロットからなるポイントで勝敗が決められる。
2:審判は、試合中に提出された立論及び反駁に基づき、Cに定めるサイドの役割を果たしたと判断した側に対して投票する義務を負う。引き分けは認められない。
3:審判は、判定に関して他の人と協議を行うことはできない。
B:順位決定
1:各チームは、予選3試合に参加する。
2:予選順位は、予選の勝ち点が多いチームが上位となる。同点の場合は、バロットの高いチームが上位となる。それも同点の場合には、対戦相手の勝ち数、ポイントが高いチームをより高い順位とする。対戦相手の勝ち点、ポイントも同数の場合、コイントスで順位を決定する。
3:予選3試合の結果、予選順位1位と2位のチームが決勝に進出する。
4:不戦勝は、そのチームの他の試合のポイント平均を不戦勝試合のポイントとして採用する。
C:サイド
1:選手は運営により事前に肯定側と否定側に振り分けられる。
2:肯定側は与えられた論題を肯定することをその役割とする。
3:否定側は与えられた論題の肯定を妨げることをその役割とする。
D:試合形式・フォーマット
1:各試合、選手は論題の発表後に20分の準備時間が与えられる。
2:試合のフォーマットは以下のものを用いる。
- 肯定側第一立論:5分 論題の定義と肯定理由を提出する。
- 否定側質疑:2分 肯定側第一立論の内容について質問を行う。応答は肯定側第一立論者が担当する。
- 否定側第一立論:5分 論題の肯定を妨げることに資する議論を提出する。
- 肯定側質疑:2分 否定側第一立論の内容について質問を行う。応答は否定側第一立論者が担当する。
- 肯定側第二立論:5分 論題の肯定に資する議論を提出する。
- 否定側第二立論:5分 論題の肯定を妨げることに資する議論を提出する。
- 否定側総括:3分 新規論点の提出は行わず、試合の総括と投票理由の提示を行う。
- 肯定側総括:3分 新規論点の提出は行わず、試合の総括と投票理由の提示を行う。
ただし、否定側第二立論で新規に提出された議論への再反論は可能とする。
※スピーチは原則として本来のスピーチ時間を15秒以上超過した内容については勝敗に反映されないものとする。
3:準備時間について、予選は、各チーム2分間の準備時間を、各スピーチの前で自由に使うことが出来る。決勝は、肯定側質疑の前までは準備時間を1分設け、肯定側質疑以降は2分の準備時間を設ける。
4:1チームは2名で構成される。うち1人が2パート担当することとし、うち1パートは必ずReplyでなければならない。
5:スピーチは日本語で行うこととし、証拠資料の引用は認められない。日本語であるか、証拠資料であるかの判断は審判の裁量とする。日本語ではない、あるいは、証拠資料を提示していると判断した場合、審判は、スピーチの当該箇所を判定から除外する、あるいは、ポイントを下げるという処分ができる。
6:各チームは、各試合を棄権することができる。試合の開始前(論題決定後を含む)に棄権を運営に表明した場合、棄権は成立する。試合の開始後に棄権を表明した場合、審判は試合を中断し、運営に判断を求める。棄権が成立した場合、棄権を表明したチームは不戦敗となり、対戦相手は不戦勝となる。その試合のポイントはB-4に定める通りに決定する。
E:POI
1:最終弁論を除く各スピーチ中、スピーチをしていないチームは、スピーチをしているチームに対して質問をすることができる。
2:質問は、最終弁論を除く各スピーチの、最初の30秒が経過してから、終了の30秒前になるまでの間で実施される。
3: 質問をする時間は15秒間とする。
4:上記2,3に違反する場合、スピーカーは質問者を遮ってスピーチを再開することが可能である。審判も、違反を質問者に指摘することは可能であるが、指摘をする責任までは負わない。その際の対応はG-3に従う。
5:スピーカーは、口頭で質問に回答する、あるいは質問を拒否することが義務付けられる。
6:スピーカーは、各パートで一度は質問に答えることを推奨する。拒否し続ける場合には、ポイントの減点要素となる。
F:誤計測
1:試合中の時間計測については、審判のみならず、両サイドの選手もその責任を負う。
2:審判は、誤計測が発生した場合、試合の終了時間を超過しない範囲で、スピーチのやり直しや、時間の追加を運営に提案することができる(例えば、第一立論を1分短く計測してしまった場合、直後にそれが判明すれば、もう1分追加で第一立論者にスピーチさせるという提案も可能であるし、試合が進行してから判明した場合、以降の肯定側スピーチのどこかを1分長くするような提案も可能である)。独断で上記のような処理を行うことは不可とし、運営から回答があるまでは試合を中断する。
3:運営は、上記の提案があった場合、できる限り速やかに審判に回答する。その際、審判の提案を受理する他に、代替の処理を指示するか、あるいは誤計測を無視し、そのまま試合を進行する様に指示することもできる。
4:スピーチ中、誤計測に気づいた場合、当該スピーチをしていない選手であっても、誤計測について、音声を以って、あるいは、チャットを以って、発言を行うことが可能である。なお観客にはこれらができない。
G:違反行為
1:以下の行為は違反行為となる。
- 出場登録をしていない選手がスピーチをする。
- 選手の担当パートがD-5に定める規則を守っていない。
- スピーチ中の選手に対して,他の選手が口頭でアドバイスを行う。
- 私語等により,スピーチの聞き取りを妨げる行為を行う。
- 選手が司会者や審判の指示に従わず,試合の継続を妨げる。
- 選手が、論題候補発表後の準備時間、及び試合中に、チームメンバーではない者と相談する、あるいはインターネットを用いたリサーチをする。
- その他,著しくマナーに反する行為。
2:選手は、対戦相手が上記の違反行為を行なったと考える場合、試合中あるいは肯定側最終弁論直後に審判に申し出ることができる。なお、観客はこれができない。
3:審判は、自らが違反行為があったと考える場合、あるいは選手から違反行為の申し出があり、それを相当と考える場合、試合中に以下のことができる。
- 違反行為をしたチームに口頭、あるいはチャットでの警告をする。
- 違反行為をしたチームのポイントを1から5の整数の範囲で減点する。
- 試合の進行に支障がある場合、試合を中断し、運営に判断を求める。
4:審判は、違反行為があったと考える場合、試合中、あるいは試合直後に、運営に違反行為を報告する。
5:運営は、審判から報告された違反行為に基づいて、違反行為をしたチームに対して以下の処分ができる。
- 違反行為があった試合で勝ち点およびポイントを0とする。
- 決勝進出権を剥奪する。
- 大会失格とし、以降の試合についても参加の権利を剥奪する。
また、上記の処分を行なった場合に、参加費の払い戻しは行わない。
6:運営は、G-5に該当する処分を行なった場合でも、試合の進行には支障がなかったと考える場合、対戦相手チーム(違反行為をしていないチーム)については、審判の下した判定、ポイントを尊重する。従って、両チームの勝ち点が0となる場合もある。
7:運営は、G-5に該当する処分を行い、かつ試合の進行に支障があったと考える場合には、対戦相手チーム(違反行為をしていないチーム)に勝ち点を与え、そのチームの他の試合でのバロットの平均をその試合のバロットとする。
8:審判は、両チームに違反行為があったと考える場合には、両チームにG-3に該当する処分を行うことができる。
9:運営は、両チームに違反行為があったと考える場合には、両チームにG-5に該当する処分を行うことができる。
H:ルールの拘束力
1:ルールに定める内容は、試合中の議論によって変更できない。
2:審判は、試合中はルールについて自らで解釈する権利を持つ。ただし、個別に運営に判断を求める規定がある場合はその限りではなく、試合の敗戦・失格に関する判断を行う権利はない。
I:例外規定
1:ルールに記載のないトラブル等は運営が判断する権利を持つ。
2:ルールに記載のないトラブルに基づく場合でも、運営はチームにG-5に該当する処分を行うことができる。